第1回 目が動いたら怖い肖像画は誰だ? 選手権

第1回 目が動いたら怖い肖像画は誰だ? 選手権




更新 この記事は2019年1月21日に更新されました。

 

夏といえば怪談である。しかし9月になると暑さは残っても人々の気持ちは一気に夏ではなく秋を感じさせ、世間では怪談話が登場する頻度は激減するのである。10月になると怪談の”か”の字もなくなってしまう。

 

では何故この時期に表題の記事を書いたのかというと真夏にこの記事を読んだ子供たちがトラウマを抱えないように配慮した結果であり、決して投稿時期を逃したのでハロウィンならギリギリ怪談系の記事を投稿しても大丈夫じゃんと思ったからではないのである。

 

さて前置きが長くなってしまったが今回の企画の趣旨を説明したいと思う。

有名な怪談に学校の7不思議というものがある、地域や学校によって内容は異なるが理科室の人体模型が動いたり旧校舎のトイレに花子さんが噂になったりするものが主だったものでしまいには”7不思議なのに6つしか不思議がない”のが7不思議に含まれておりどこか哲学めいたものまで感じさせる。

その7不思議の中に”音楽室に飾られている肖像画の目が動く”というものがあるが(地域によっては目が光る、目から血が流れるなど派生パターンがある)結局の所誰の肖像画の目が動いたら1番怖いのかを検証しようというのが本企画である。

 

評価項目は独自の評価基準に基づき5つの項目を各5点満点、計25点満点で評価したいと思う。

評価項目と評価ポイントは以下の通りである。

①目力…目そのもののインパクトによる点数である、目にインパクトがある人物ほど動いたときや光ったときにインパクトが出るだろう。

②顔の怖さ…顔そのままの怖さである。

③知名度…作曲家が怪談に登場する割合および肖像画が学校の音楽室に飾られている割合を評価する、正確な数値は抽出するのが難しいため体感によるものとする。

④エピソード…その人物がもつエピソードの怖さである。怖いエピソードがある場合は点数が高くなる。

⑤曲の怖さ…別の7不思議、夜になると鳴り出すピアノと合わせ技である。その肖像画の人物が作曲した曲の不気味さ、怖さによる点数である。

後ろで流れるBGは非常に重要であり、いくら肖像画の顔が怖くても陽気なヒップホップが流れ出したらそれはもう音楽室は恐怖を演出する場所ではなくダンスフロアに早変わりなのである。

なお、選曲はgoogle検索で”怖い 曲 クラシック”、”怖い 曲 《作曲者名》”で検索してでてきた曲を評価対象とする。

 

 

では記事の尺の都合もあるので早速審査に入りたいと思う。

 

さて審査に入りたいと思うがこういった審査ではトップバッターは2番手以降の評価基準となり、得てして不利になりやすい傾向があるため、見本をかねて最初に”モナリザ”を評価例として出したいと思う。

なお私はジョジョの奇妙な冒険第4部に登場する殺人鬼ではないので肖像画を見て性的興奮を感じることはなく、公平な目線で評価をしていくのでご安心いただきたい。

 

 

【モナリザ】

モナリザ

 

①目力…【3】大き過ぎず、小さすぎず。特別目力が強いとは感じなかったのでこの点数である。

②顔の怖さ…【4】魅力的と形容される微笑で表情自体は決して怖くないものの、長い黒髪の女性がこちらを見ているという点でどこか不気味さを感じさせる。この感性は貞子や市松人形に繋がるものがあるからだろうか。

③知名度…【5】「世界でもっとも知られた、もっとも見られた、もっとも書かれた、もっとも歌われた、もっともパロディ作品が作られた美術作品」という評価があるように知名度はバツグンである。7不思議の中には美術室のモナリザの目が動く、血の涙を流すといったものも見受けられ怪談への登場率も高い。

④エピソード…【1】モナリザのモデルとなったこの女性は”リザ・デル・ジョコンドという人物で”制作が行われた理由は、一家の新居引越しと次男の出産祝いだったと考えられているそうである、特に怖いエピソードではないためこの点数である。

⑤曲の怖さ…【1】曲がないので映画”ダ・ヴィンチ・コード”のPVを流してみた。なんかちょっとワクワクしてきたのでこの点数である。

総評…【14】曲というハンデを抱えながらこの点数は大健闘と言えるのではないだろうか。

 

では本選に進みたいと思う。

また、登場する曲を纏めてみたのでこちらを聞きながら読んでいただければ雰囲気がでると思うので、是非聞きながら記事を読んでいただきたい。

 

エントリーナンバー1、1番人気は譲っても最恐の座は譲れないモーツアルトォォオオ

【1.モーツアルト】

①目力…【3】特に険しくもなく標準的だと思われる。

②顔の怖さ…【3】特に怖い感じがしないためこの点数となった。

③知名度…【4】肖像画が飾られている確率は高く、怪談話で登場することもあるがベートーベン程ではないようだ。

④エピソード…【4】死因に毒殺説もあげられている他、以下のように遺作が呪われているという話もある。

しかし他にも風邪で亡くなった説、豚肉にあたって亡くなった説などもあった。

⑤曲の怖さ…【5】遺作でもあるレクイエムは呪われた曲だと言われており、この曲の作成中に亡くなったと言われている。

総評…【19】怪談話などに登場するのは死因や遺作によるものが多いのではないだろうか。

 

 

続いてエントリーナンバー2、知名度なら負けていない、優勝の可能性は十分にあります、玄武の方向から登場ですバッッハァア

【2.バッハ】

①目力…【3】そこまで険しい目つきではないと思う。

②顔の怖さ…【4】少し不機嫌そうな顔をしているように感じる。中々怖いと思う。

③知名度…【4】モーツアルト同様に肖像画が飾られていることも、怪談話で登場することもあるがベートーベン程ではないようだ。

④エピソード…【2】怪談へ登場することもあるがバッハ自体に関係する怖い話は特に見つからなかったためこの点数に落ち着いた。

⑤曲の怖さ…【3】テレビ番組の悲劇的なシーンに使用されていることが多い”トッカータとフーガ”が代表だろうか。

総評…【16】知名度ゆえか怪談に登場することも多いが本人に関する怖い話などはないことから点数は伸び悩んだ。

 

 

エントリーナンバー3、もはや自分が王者となるのを確信しているのか、優勝の大本命絶対王者ベートーベェェェエン

【3.ベートーベン】

ベートーベン

①目力…【5】力強い、肖像画の時点で睨んできている。こちらの防御力が下がりそうだ。

②顔の怖さ…【4】険しい顔つきのため怒っているようにも見える。バッハ同様中々怖いと思う。

③知名度…【5】肖像画が飾られている確率および怪談話での登場率も非常に高い、文句なしの満点である。

④エピソード…【5】ベートーヴェンが交響曲第9番を完成させた後、交響曲第10番を完成することなく死去したことに端を発する第九の呪いというものがある。

性格は親切で無邪気な反面、癇癪持ちで暴力的な行動をとることもあった。

⑤曲の怖さ…【5】怖い、不気味と呼ばれる曲を検索すると”月光”や”エリーゼのために”、”悲愴”等複数が上げられている、これだけでメドレーが作れそうなラインナップである。

総評…【24】流石の貫禄。限りなく満点に近い怖さである。

 

 

エントリーナンバー4は日本からこの人物である、日本の意地を見せられるか滝廉太郎、名曲荒城の月とともに登場です。

【4.滝 廉太郎】

滝廉太郎

(出典:wikipedia)

①目力…【2】そんなに強くない方である。

②顔の怖さ…【3】特に怖いとは感じない、大学生にいそうな顔である。しかし画像検索をすると白黒写真ばかりなのでその点については怖いと思う。

③知名度…【4】日本を代表とする作曲家で目が紫色に光るなど怪談での登場例もある。ただ他の作曲家に比べると肖像画になっていることが少ないため満点にはいたらず。

④エピソード…【5】調べたら都市伝説がでてきたりと中々怖いエピソードが発見された。

詳しくは『滝廉太郎 都市伝説』で検索して下さい。

⑤曲の怖さ…【5】荒城の月や箱根八里等が有名だが遺作のタイトルは憾(うらみ)、他の曲と異なり不気味な曲調である。

総評…【19】何これ怖い。都市伝説や遺作等怖いエピソードが見つかり予想以上の結果となった。

 

 

最後の挑戦者、エントリーナンバー5、ロシアからの刺客チャャアイコフスキィイイー。

【5.チャイコフスキー】

チャイコフスキー

(出典:wikipedia)

①目力…【5】こちらを睨みつけている。ベートーベンと向かい合わせにしてみたい。

②顔の怖さ…【4】厳格そうな顔である。

③知名度…【3】世界的に有名な作曲家だが怪談に出てくることは少ない。他の人物に比べると肖像画がある確率は低いと思われる。

④エピソード…【1】チャイコフスキーに関係する怖い話は発見できなかった。

⑤曲の怖さ…【3】くるみ割り人形の金平糖(こんぺいとう)の踊りが不気味だという声が見受けられたが特に怖いエピソードは見うけられなかった。

総評…【16】顔は少し怖いように感じるがwikipediaにも”孤児や可哀想な動植物、同性愛などへも、彼らに理解を寄せて共に時間を過ごす事もあった。”との記述があるように怪談とは無縁の人物である。

 

 

全ての検索結果が出揃ったので最終結果を発表したいと思う。

 
結果発表
第2位 モーツアルト・滝 廉太郎

 滝

2位には同率(19点)で2人がランクイン。どちらも表情の怖さはないものの遺作のエピソード等からランクインした。

こういった怪談に登場するのは亡くなる直前に作曲していた曲が大きく関わっていることがわかる納得のランクインである。

 

第1位 ベートーベン

ベートーベン

栄えある第1位は24点とぶっちぎりの点数だったベートーベンである。

顔の怖さ、怖い曲や不気味な曲の多さ、呪いのエピソードと非の打ち所のない結果となった。

 

結果としてベートーベンが優勝を飾ったがやはり怪談として登場回数が多いのはそれなりに理由があるのだと再認識させられた。

他にも滝 廉太郎の遺作ははじめて聞いたが学校などで習う荒城の月などとはまったく違ったイメージでモーツアルトなど少なからず怪談に登場する作曲家には理由があるのだと思い知らされた。

 

第2回は要望があれば来年の夏にでもやるかもしれないしやらないかもしれないので期待せずに待っていていただきたい。それではここまでお読みいただきありがとうございました。

 




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